音楽を聴くだけでなく、自分で曲を作ってみたいと考えたことはありませんか?
昨今では音楽生成AIツールも普及し、作曲は決して難しいことではありません。
しかし、曲作りの基本として「曲構成」を理解すると、より自分の理想とする曲を作れるようになるでしょう。
この記事では、音楽理論を学んだことがない初心者でもわかるように、曲構成の基本から具体的なパターンまでを紹介します。
是非参考にしてください。
曲構成とは何か?
曲構成とは、音楽作品を構成するセクションやパートの配置や順番を指します。
たとえば、ポピュラー音楽の多くでは、特定の部分が繰り返されたり、組み合わさったりして構成されています。
曲構成を理解することで、どのように曲が発展し、リスナーにどのような印象を与えるかを計画的に考えることができるようになります。
以下の「曲構成」を考える際にも役立つポイントを説明します。
曲のセクションを理解する
曲構成の基本は、曲をセクションに分けて考えることです。
一般的なセクションには、イントロ、バース、コーラス、ブリッジがあります。
これらの組み合わせにより、曲は幾多にも変化し世界観を演出できます。
リスナーを意識する
曲構成を考える際に重要なのは、リスナーの期待をどのように管理するかです。
たとえば、バースとコーラスを交互に配置することで、リスナーは次に来るパートを予測しやすくなり、曲の流れが自然になります。
一方で、予想外の展開を取り入れることで、驚きや新鮮さを感じさせることも可能です。
リスナーばかりを意識しなくてもよいですが、Youtubeや配信サイトで再生数を伸ばしたいと考える場合には大事な要素です。
曲構成の歴史的背景
曲構成には、クラシック音楽やジャズ、ロックなど、ジャンルごとの歴史的な背景が影響しています。
たとえば、クラシック音楽ではソナタ形式やロンド形式がよく使われ、ジャズでは即興演奏を重視した構成が一般的です。
こうした背景を知ることで、自分の曲作りに新たな視点を取り入れることができるでしょう。
覚えておきたい曲構成の名前
曲を構成するセクションには、さまざまな名前が付けられています。
これらの名前を知っておくことで、曲作りや音楽の理解が深まり、制作時にも役立つでしょう。
以下代表的な曲構成のセクションになります。
Intro(イントロ)
イントロは、曲の最初に配置される導入部分です。
リスナーを曲の世界に引き込む役割を持ち、曲の雰囲気やテーマを暗示することが多いです。
イントロがない曲もありますが、ある場合は通常、メインのメロディやリズムが簡単に提示されます。
Verse(Aメロ)
ヴァースは、曲のメインテーマを展開するセクションです。
リスナーに物語やメッセージを伝える部分であり、歌詞の多くがここに含まれます。
邦楽では、サビに向かう導入部分としての役割を果たすことが多いですが、洋楽ではヴァースとサビが交互に繰り返されることが一般的です。
Pre-Chorus(Bメロ)
プリコーラスは、サビに入る前に配置されるセクションです。
Bメロとも呼ばれ、サビに向けて徐々に盛り上げていく役割を果たします。
曲によっては、プリコーラスが存在しない場合もありますが、ある場合はサビのインパクトを強めるために重要な役割を果たします。
Chorus(サビ)
コーラスは、曲のクライマックス部分であり、最も印象に残るセクションです。
メロディがキャッチーで、リスナーが覚えやすい部分が多いです。
曲のテーマが最も強調される部分であり、多くの曲ではコーラスが繰り返し登場します。
Bridge(Cメロ)
ブリッジは、曲に新たな展開を加えるセクションです
通常、ヴァースやコーラスとは異なるメロディやリズムが使われ、曲に変化をもたらします。
ブリッジは、曲の途中で一時的に雰囲気を変えたり、曲の最終的なクライマックスに向けてリスナーの期待感を高めたりする役割を持っています。
Outro(アウトロ)
アウトロは、曲の終わりに配置されるセクションです。
曲を締めくくる役割を果たし、イントロと同様に、曲全体の雰囲気をまとめる重要な部分です。
アウトロが徐々にフェードアウトすることもあれば、エネルギッシュなフィナーレとして終わることもあります。
曲構成と小節の関係
曲構成を考える際に、小節との関係も重要です。
音楽は通常、一定のビートやリズムで進行し、小節によって区切られます。
曲構成と小節をうまく組み合わせることで、曲全体のリズムやテンポがスムーズに感じられるようになります。
小節について覚えておきたいポイントは以下の様になります。
小節の基本
小節とは、音楽のビートを一定の区間に区切ったものです。
一般的なポップソングでは、4/4拍子がよく使われ、4つのビートで1小節が構成されます。曲の構成を考える際には、この小節の区切りを意識することが大切です。
小節のカウントと曲の進行
曲の構成を計画するとき、どのセクションが何小節続くかを決めることが必要です。
たとえば、ヴァースが8小節、コーラスが16小節というように、それぞれのセクションの長さを決めておくと、曲全体がバランス良くまとまります。
小節とリズムの変化
小節をどのように使うかによって、曲のリズム感や印象が大きく変わります。
たとえば、ヴァース部分で急に拍子を変えることで、曲にダイナミックな変化を持たせることができます。
また、コーラスで小節を増やすことで、曲のクライマックスを強調することも可能です。
曲構成の調べ方
自分で曲を作る際に、他の曲の構成を参考にすることは非常に有効です。
曲構成の調べ方を知っておけば、さまざまなジャンルやスタイルに応じた最適な構成を見つけることができます。
好きな曲や影響を受けた曲を聴いて、その構成を分析してみましょう。
イントロが何小節続いているか、ヴァースやコーラスの配置、ブリッジの有無などを確認し、自分の曲作りに役立ててください。
また楽譜やMIDIファイルは、曲構成を視覚的に理解するのに役立ちます。
特にクラシックやジャズの曲では、楽譜を見ることでどのように曲が構成されているかが一目でわかります。
また、MIDIファイルを使えば、自分の音楽制作ソフトで曲を分解して、各セクションを詳細に分析できます。
今日から使える曲構成のパターン
曲を作る際に、どのようにセクションを組み合わせるかを考えるのは重要です。
ここでは、初心者でもすぐに取り入れられる、歌もののイントロからアウトロまでを含んだ曲構成のパターンをいくつか紹介します。
これらのパターンを使えば、曲作りがよりスムーズに進むでしょう。
曲構成は無限のパターンがあるので、いろいろ試してみるのもアリです。
パターン1: シンプルで覚えやすい基本構成
このパターンは、最もシンプルでポピュラー音楽でよく使われる構成です。
セクション名 | 内容 |
---|---|
Intro | シンプルなメロディやリズムが使われることが多い |
Verse(Aメロ) | 曲のメインテーマを展開する部分 物語の導入や曲のメッセージがここで表現される |
Chorus(サビ) | 曲のテーマが強調される部分 リスナーが覚えやすく、キャッチーなメロディが使われる |
Verse(Aメロ) | 曲のストーリーがさらに進展する 歌メロやアレンジが若干変わると良い変化に |
Chorus(サビ) | 再びコーラスが登場し、曲の盛り上がりが最高潮に達する |
Outro(アウトロ) | 曲を締めくくる部分 |
パターン2: プリコーラスを活かした変化のある構成
このパターンは、曲に少し複雑さを加えたい場合に適しています。
プリコーラスと組み合わせることで曲に変化をもたらし、リスナーの興味を引き続けます。
セクション名 | 内容 |
---|---|
Intro | 曲の導入部分 雰囲気を設定し、リスナーの注意を引きつける |
Verse(Aメロ) | 曲の主題を紹介する部分 歌詞で物語やメッセージを伝える |
Pre-Chorus(Bメロ) | サビに向けて徐々に盛り上げていく部分 メロディやリズムに変化を加えて、期待感を高める |
Chorus(サビ) | 最もキャッチーな部分 曲のテーマが強調される |
Verse(Aメロ) | 再びAメロが登場し、物語が進行する |
Pre-Chorus(Bメロ) | 再びBメロが繰り返され、曲が盛り上がる |
Chorus(サビ) | 最後のサビで、曲のクライマックスが再度強調 |
Outro(アウトロ) | 曲を締めくくる部分、聴き手に余韻を残す |
パターン3: ブリッジでアクセントを加えた構成
このパターンは、ブリッジを取り入れることで、曲の途中に変化を加えたいときに有効です。ブリッジを通じて、曲に新たな展開を加え、リスナーを引き込むことができます。
セクション名 | 内容 |
---|---|
Intro | 曲の始まりを飾るセクション |
Verse(Aメロ) | 曲のテーマを展開する部分 |
Pre-Chorus(Bメロ) | サビに向けた盛り上がりを演出 |
Chorus(サビ) | 曲のテーマが最も強く表現される |
Verse(Aメロ) | 再びAメロが登場し、物語が進行 |
Pre-Chorus(Bメロ) | 再びBメロが繰り返され、曲が盛り上がる この後ギターソロなど間奏を入れてもよい |
Bridge(Cメロ) | 新たな展開を持たせる部分 ヴァースやコーラスとは異なるメロディやリズムが使われる |
Chorus(サビ) | 曲全体の盛り上がりがピークに達する サビを2回繰り返すパターンもあり |
Outro(アウトロ) | 曲を締めくくるセクション |
まとめ
曲作りの第一歩として、曲構成の基本を理解することは非常に重要です。
この記事で紹介したように、曲のセクションや構成パターンを知ることで、曲作りがスムーズに進みます。
ヴァースやコーラスといったセクションの役割を理解し、イントロからアウトロまでの構成を意識して作曲することで、初心者でもプロフェッショナルな楽曲が生み出せるでしょう。
ジャンルや邦楽・洋楽などによって様々な構成がありますので、聞かないジャンルを聴いてみると大きな発見があるかもしれません。
ぜひこの記事を参考にして、自分だけの曲作りを楽しんでください。